笑うベートーベン」(7)

こんばんは BeBeちゃんです

今夜も「笑うベートーベン」でしばらくの間 お楽しみ下さい。


 今回は私一人で担当します。相方のLちゃん、ベートーベン先生は欠席です。

なんでもグルメ番組の「彼女と行くならこんな店」の録画撮りなんだそうです。

同業者のロッシーニ氏の「グルメでいきましょう」が高い視聴率を上げているので

あきらかに対抗意識をもっていますね。

 有名シェフのいる店へ行って ただ「うまい!」とか「おいしい!」と言うだけ

なんですけど。 しかし美人タレントとの仕事というので もう数日前から

機嫌がいいんですよ。

 私と なんでもないスケジュール調整の打ち合わせをしていても

ずーと笑顔なんです。 声を上げてよく笑うし。

そーゆーところが単純というか まあ ちょっとね、あれなんですけど。

そんなことでですね前にもちょっとお知らせしたんですが

ベートーベンのピアノソナタに自由に曲紹介のナレーションを

付けさせてもらうことにしました。


 リスナーのみなさんにも大変な反響で こちらに色々寄せられています。

ひとつの作品に複数の楽章がありますのでね 3〜4種のナレーションが

楽しめますです。

おもしろいものをセレクトして私が楽章ごとに 添えてゆきます。

したがって最終的な責任は私にあります。

 なかには「芸術に対するこんな冒涜は絶対に看過できない。

わしが許さん!」というのもありますが 「わしが」といわれてもねえ、

どんな人なのかぜんぜん分かりませんしね。 困ります。

これは当然のこと Lちゃんとも打ち合わせていまして

彼はなんて言ったと思います?

意外にもこんなこと言ってました。

 「たしかに人それぞれに曲の見通しがついたり あちこちに

表情が浮き立って感じられるんなら いいことじゃないの」だって。

そうですよね。 さすがLちゃん「わしが許す」とは言いませんでした。

いかにも言いそうですけどね。


では第一回目の今日の曲目は 分かりやすく第1番から。


       ピアノソナタ第1番 ヘ短調

                作品2−1

   第1楽章

     明日を見たいと故郷(ふるさと)捨てて

    着いたこの街 風の街

    夢を羽織って歩いてゆけば

    なんで寒かろ 木枯らしが

   第2楽章

    思い出を どんどんさかのぼってゆけば 

    生まれる前の記憶にまで たどり着く

    この窓にとどく星の光も

    はるか太古の 自分のかけら・・・

   第3楽章

    明け方に君の声が聞こえた

    しかし顔がぼやけて よく見えない

     別れた時の君の言葉

     なぜかそれが思い出せない

     きっとこの胸の痛みが

     まだ強すぎるからだ

   第4楽章

    見知らぬ街 見知らぬ人々

    そこには異質な人生 異質な価値観があるのか

    いやどんなに歴史の異なる街にも

    普遍的な芸術には人々を感化する力はある

    自分はそんな作品を生み出す芸術家になるのだ

    なれるかどうかは問題ではない

    そうなる決意を固めたかどうかなのだ