「笑うべートーべン」より (プロローグ)
B:ベッティーナ・ブレンターノ
L:ルードウィヒ・フォン・ベートーベン
B:「捕らわれの人々の存在は私への侮辱、人は連帯の一部、
人は主体そのもの。」私はジョン・ダンのこの詩を思うだびに
体温が五度くらい上がるんですよ。
L:ハッハッハ…(笑)、君も血の気が多いからなあ。
B:何もあの「ベートーベン」が言う事はないんじゃあないか、と思いますよ。
L:ワッハッハ…(笑)
B:この大げさで自意識過剰気味な表現がすごく分かりやすいんですよ。
スーッと体に入ってくるんだな。
L:フッフッフ…(笑)いやあ、正直言って、このキャラは私の一部でもあり
「時代の風」でもあるんだ。
市民、一人一人の顔に直接、風が当たって吹き抜けてゆくのを感
じられる日常。そんな時間が流れている社会が理想だ。
しかし それは同時に「自分は何者なのか?」という命題を
自分で抱え込まなくてはいけない時代になった。
その課題を人々が怠った場合、それは個人個人の
「バブル社会」になってしまう。
そんな時、ベートーベンの音楽が存在意義をクッキリと示してくるんだ。
B:おーっ、きっちり自慢話で締めくくるところなんか、さすがじゃないですか。
L:オイ、オイッ! ワッハッハ・・・(笑)